この記事の目次
前書き
不透明画材(ガッシュやアクリルガッシュなど)のグラデーションは単にデザイン的な使い方だけではなく、人物画や顔を塗ることにも対応出来ます。グラデーションを使えばある程度の遠近感が出せますので、透明絵の具の重ね塗り技法とはまた違った、独特な風合いの表現ができます。
では顔をグラデーション技法を使って塗るにはどうするのか、それを説明致します。
顔をグラデーションで塗る①
まずは輪郭から顔中心にかけてどのような順番でグラデーションを作るのかを図示したものをエクセルで作りましたので、ご覧いただきたいと思います。
このような順番で顔を塗ることをイメージして下さい。すでにこの時点でなんとなく顔(左半分側)をアップにしたように見えませんでしょうか。
顔をグラデーションで塗る②
実際に顔を塗る場合、各グラデーションの幅は下の図のように変化や強弱を付けます。
全て同じ幅で塗ってしまいますと、特に輪郭部が目立ってリアルなうまい絵には見えません。
幅に差をつけることで、よりリアルに見えるようになります。
最も幅の狭い1~3と、最も幅の広い16とは、数倍の幅の違いがありますが、
どの段階の幅も1本の筆で表現できます。
筆づかいで幅を変える
どの段階の幅も以下のような筆づかいで対応します。
顔をグラデーションで塗る③
顔は左半分だけではないので、②で紹介した塗り方で左右上下からそれぞれ同時に塗っていきます。
注意事項も含めて下図に示します。
簡単に説明するために、上の図では目・鼻・口は省いています。
目・鼻・口がある場合も、同じ色で肌部分を輪郭~ハイライトと塗っていきます。
下はガッシュ絵の具でグラデーションで塗った顔です。(眉・目・口は後から別色で塗ります。)
上ではすこし太すぎましたが、輪郭の黒系の幅は細ければ細いほど、顔は自然に見えます。
グラデーションの混ぜ方
グラデーションの混色の仕方について、手順をまとめてみました。
顔を塗る場合、濃い色の幅をできるだけ細くして、なおかつ面積の広い部分を塗りますので、急激に白くなることを避ける必要があります。
(急激に白くなっても、そこから前の色には戻せないので、失敗すると白塗りの顔になってしまいます)
そのため、グラデーションの初期段階では、いきなり白は混ぜずに、ほどよく薄めの色を使用してだらだらと緩やかに変化をさせて、最後のハイライトまで間を持たせます。
まとめ
グラデーションで顔を塗る方法のポイントは、幅に変化を付けるということでした。
より進化しましたらまたご紹介致します。
この他にももっと良い方法等がありましたらぜひ教えて頂きたいと思います。