色彩とグラデーションについて

グラデーションを使った絵画技法やエクセルを使った色彩理解のお助けなど紹介しています

すこし薄暗い照明ですが

 こんにちは。管理人のりんです。ご訪問ありがとうございます。

11月頭に完成したばかりの新作原画を、向日市民文化展にてお披露目しています。

昨日は搬入と据え付けに行ってきました。

リュックに作品を括り付けて、自転車でえっちらおっちら運びました。

すこし薄暗い照明の会場でした。

私はギラギラの昼白色の蛍光灯の光が好きなんですが、ここはホールなので落ち着いた照明があっているんだと思います。

会場はこんな感じです。

正面からアップの写真も撮りましたが、薄暗いのですこし光量の加工を入れています。

11月22日から24日まで開いております。

2023年にオープンした、ニデックの永守重信氏が寄贈された新しい市民会館にて。

同じ会場で、私の母親も作品を出展しています。

パッチワーク作品です。

図案はブロードアローというものです。

調べて見たら由緒ある図案でした。(本人は知らんいうてますが)

すばらしい。

終わり

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しんさくが完成しました


この記事の目次

 こんにちは。管理人のりんです。ご訪問ありがとうございます。

久しぶりに新作の絵が完成しましたので紹介させて頂きます。

このブログはオウンドメディアなので、なんの気兼ねもなく、好きなだけ詳しく自分の作品の紹介をするということが出来ます。

それではいってみましょう。

題名

「The sound of kaleidescope」

(ザ サウンド オブ カレイドスコープ)

カレイドスコープとは万華鏡のことで、サウンドは響きという意味を持っています。

二つ合わせて”万華鏡のような響き”という意味が込められています。

普通は万華鏡と言えば「色とりどりの」とか「キラキラした光」とか、主に『視覚』に関連する言葉を連想しがちですが、ここでは『視覚』はもちろんのこと『聴覚』にも感じられる作品であれば良いなと思って題名に『サウンド』を付けています。

見ての通りキラキラした「色」の作品ですが、同時に「リズム」や「残響」も感じられる作品であれば良いなと思っています。

制作期間

2023年5月20日~2024年11月2日(約1年6ヶ月)

下書き期間 2023年5月20日~2024年2月10日(約9ヶ月)

色付け期間 2024年2月11日~2024年11月2日(約9ヶ月)

かなり時間がかかっています。締め切りがなければもう数ヶ月は色付けに要していたはずです。

特に私の場合、下書きの完成時でそのまま素描作品になるくらいまで仕上げるので、どうしても時間がかかっています。

頭に思いついたイメージを描いては消してを繰り返しながら、だんだん煮詰めていく感覚です。

ただそれでも今回の作品は、下書きも色付けも進む方向性があらかじめ『見えている』状況でしたので楽な方でした。

簡単に言うと、今回の形状と色付けはかなりアニメ作品の影響を受けています。

最初の下書きではピラミッドを描き進めていましたが行き詰まってしまい、アマゾンプライムビデオで「ガンダム作品」のシリーズにはまって一気に見続けているうちに、「ユニコーンガンダム」の神がかった「緑デストロイモード」に影響を受けていた様子です。「ガンダムSEED」の「フリーダムガンダム」の「翼」にもかなり影響を受けているようです。

制作過程

それではいかにして、当初のピラミッドがユニコーンに「変形」したのかを見ていくことにしましょう。

下書き編
2023年5月20日

キャンバスは長方形やのに、正方形のピラミッドを描き始めて苦労する。

5月27日、6月3日、6月10日も描き進める

2023年6月17日

まだピラミッドを描くつもりのようです。

6月24日も描き進める

2023年7月1日

ピラミッドだけでは画面がスカスカなんで石段を広げてみる。

7月8日、7月15日と描き進める

2023年7月16日

あれ?ガンダムの頭みたいな形が出てきた。

7月29日、8月5日、8月11日、8月13日と描き進める

2023年8月14日

だいぶ画面の線がグシャグシャになって来た

8月26日、9月2日、9月9日と描き進める

2023年9月9日20時30分

考えが煮詰まって、とうとう真ん中を切り取るという暴挙にでる。

でもそのおかげでガンダムユニコーンのデストロイモードみたいなイメージの覚醒が出来た。

切り取ったパーツを嵌めてみたり、取ったりして遊ぶ。

切り取ったパーツは念のため残しています。

9月9日、9月23日と描き進める

2023年9月30日

覚醒してからは、線画にはまってます。手の横側がシャーペンの芯の粉で真っ黒になる

10月7日、10月8日、10月14日、10月21日と描き進める

2023年10月30日

線画いいね

11月3日、11月4日、11月11日、11月18日と描き進める

2023年11月25日

手が真っ黒になったおかげで、濃淡がついていいね。

12月2日、12月9日、12月16日、12月23日と描き進める

2023年12月30日

年末も描きました。

年明け1月6日、1月7日も描き進める

2024年1月20日

こんなにいっぱい細かい線なので、本当にその細い部分に色を塗れるのか、ちょっと心配になる

2月3日と描き進める

2024年2月10日

やっと下書き完成。眺めてすこしうっとり。

別に色を塗らなくてもいいのではといつも思う

色付け編
2024年2月11日

いよいよ色付け。

この最初のグラデーションがいつも一番どきどきする。

そして、絵が完成したあとで見るといつも一番個性的な部分になる。

それは数ヶ月のブランクがあると感覚が相当おかしくなっているから。

2024年2月23日

2か所目のグラデーションもまだ新鮮味がある。

それは使っている色がかぶることなく、補色となる色を自由に使えている時なので。

2024年2月24日

3か所目のグラデーションもまだ新鮮ですが、下書き時のイメージから外れてきました。塗る範囲が多かったので単純なグラデーションでは退屈かなと思い、波型のグラデーションにしたけど失敗やったかなと少し後悔。

塗り直しはめったにしない。3月2日も描き進める

2024年3月9日

塗り進めていくうちに、サウロンの目のような炎色と形状になってきた。

これで菱形形状を塗るグラデーションパターンが決まった。

3月16日、3月23日、3月30日、4月6日と塗り進める

2024年4月13日

使う色に悩んだときは、赤色の隣は青色か紫色を使うことが多い。

それはお手本としていた西洋中世写本の彩色原則であるから。

左右のひし形の色付け向きが違うのはミスです。

同じような形状のパターンで上下左右と塗っていくと、あれっという感じでミスる場合もあります。おおきな影響は生じないと自分に言い聞かせてそのまましれっと塗ります。

4月27日、4月28日、5月3日、5月4日、5月5日と塗り進める。

2024年5月11日

赤色、青色と塗ったので次は緑色を使います。

デストロイモードの緑色はこのように一番強調したい重要なポジションで使っています。

神々しい十字形が印象に残るように頑張ってグラデーションを光らせています。

5月18日、6月1日と塗り進める。

2024年6月8日

中央部の色も少し悩んで、やはり定番の緑VS赤にしました。

6月22日、6月29日、7月6日、7月13日と塗り進める

2024年7月14日

明るい色ばかりだと軽くなるので、暗い色も使いました。

7月27日、8月6日と塗り進める。

2024年8月6日

中央の穴開き部分周辺は結構見た目で重要な部分で、2パターンの塗り方どちらかにするか悩む。

1.下書き通り、菱形の中に菱形を90度回転させて2回塗る

2.大きな菱形のまま1回だけ塗る

パソコンのペイントソフトで2パターンのシュミレーション画像を作り、右側のパターンで決定。8月10日、8月14日と塗り進める。

2024年8月16日

下書きの時、最初にピラミッドだった正方形部分を塗ります。

金色と赤色の交互彩色というパターンが決まりました。

真ん中の穴の開いた部分もシュミレーション通りうまくいっています。

8月17日、8月24日、8月31日、9月7日と塗り進める。

2024年9月14日

赤色と金色の配色は多用すると派手派手になります。

万華鏡なのでこの場合は一向に構いません。

9月15日、9月21日、9月22日と塗り進める

2024年9月28日

重要な部分はほぼ塗り終えています。

2024年10月5日

上下の塗っていない部分(背景部分)の色付けで悩む。

2通りのグラデーションのパターンで考えてみる。

パソコンのペイントソフトでシュミレーションしました。

1.明暗暗明ー明暗暗明 が重なる

2.明、明、明、明暗 

が重なるほど重量感は出ますが、今回は△形状から光線が発するイメージを優先的に再現したかったので右側に決定。

パターンが決まったので、あとは10月12日、10月13日、10月19日、10月26日、11月2日と淡々と塗り進める

2024年11月2日

特に問題もなく、シュミレーションで選んだパターン通りに塗り終えて無事完成しました。

終わり

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さっそく使ってみました

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 こんにちは。管理人のりんです。ご訪問ありがとうございます。

テンペラメディウム液の小出し容器について、より使いやすいものを見つけましたのでさっそく使ってみました。

百均で買えるスポイト付きボトルです。

 

100円という安価なのに容器はガラスで、しかも2本も入っています。

この容器にテンペラメディウムの液体を入れて使っています。

2か月ほど使用して、その間5回以上は液体の詰め替えをしていますが、全く問題なく使えています。

使うときはスポイトで液体を吸い上げてから、自分の好きな回数分、一滴一滴と垂らして自在に絵の具を薄めることができます。

今のところデメリットを感じていないので、かなり便利で良いものです。

以下は前に使っていた容器の良くなかった点です。

「目薬容器を流用して使用」

・注ぎ口のノズルの大きさがあまりにも小さくて、すぐに目詰まりをおこす。

メディウム液の配合状況によっては溶剤系が多くなる場合があり、容器が変形したり、キャップから液漏れがする場合があった。

こういったデメリットが、スポイト付きボトルに変えてから無くなりました。

 

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こうしんしました

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 こんにちは。管理人のりんです。ご訪問ありがとうございます。

イトーピア向日マンションミニギャラリーで9月14日より展示している作品についてご紹介しています。

前回作品の展示は8月14日から8月31日まで予定していましたが、あまりに暑かったり、作品自体も気に入っていたのでずるずると9月中旬まで更新を伸ばしていました。

ようやく重い腰をあげて9月14日に作品のこうしんに取り掛かりました。。

今回の展示方法は壁に「立てかけ」方式です。

作品の重さが1枚3kgほど有りますので、今までの経験から壁に粘着テープで固定は無理だとわかっているので、安全な「立てかけ」にしました。立てかけた作品がズルッと前にズレないように透明のストッパーは付けています。

展示作品は3枚です。

うまいこと展示スペースに収まりました。

右2枚が左右セットの作品で、左1枚がもともと左右セット作品の片側の右側です。

絵の感じは文字が多く、制作した時期も連続していますので、3枚並べても違和感はなかったです。

カリグラフィーにハマっていた頃の作品です。筆先を斜めにカットして、カリグラフィーペン先のようにして塗っています。

制作当時、カリグラフィーペン先での描画も試みましたが、どろどろの「ガッシュ絵の具」プラス「卵メディウム」という私のお得意の画材では、かすれて一文字も書けないのでやむなく筆を使いました。

非常に肩の凝る作業で、目もいかれかけましたので、量産は難しい技法です。

展示期間

「2024年9月14日(土)~2024年10月12日(土)」

今回でこちらでの展示は一区切りとなります。また機会があれば別の作品を近い将来展示する予定です。

展示作品

題名 左側「(The)Kings」(キングス)

題名 右2枚「Lament.」(ラメント)

2010年、2011年制作

(表面の光沢や反射は、画面保護のために後からかぶせているOPPフィルムシートが写りこんだものです。)

4月から一連の作品展示を通じて思うところは、作品はいろんな所に飾ると描いた時とはまた違う見方が生まれるなあということです。
別に美術館とか画廊とかにとらわれず、ストリートを含めた身近なミニギャラリーでこっそり展示させてもらえるとうれしいです。

終わり

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けっこう良かったです

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 こんにちは。管理人のりんです。ご訪問ありがとうございます。

イトーピア向日マンションミニギャラリーで8月14日から始まった作品の展示についてご紹介しています。

前回作品の展示予定は7月27日(土)まででしたが、コロナに感染してしばらく自宅療養をしていましたので期間を延長して展示していました。

ようやく体調も回復して作品の入れ替えが出来るようになりました。

今回の展示方法の変化は、また壁かけ方式にしたことです。

実は今回の作品は、制作時(2010年)にあらかじめ画面の裏側に自作の「枠」を接着剤で付けていました。いつかこの「枠」を使って紐で壁に掛けられるようにとの考えがあったからです。

今年(2024年)になって、ついにこの作品も展示する機会を得ました。それで「枠」に取り付け金具を付けて展示する準備をしました。

 

金具に紐を通し、壁のフックに紐をひっかけて作品を展示しました。

左側と右側の2枚で一組の作品です。

この作品ですが、1枚ずつ作品単体写真で見た場合はすごくインパクトが弱かったため、あまり面白い展示にはならないかなと思っていました。

しかし、こうして壁面の背景込みで、左右一対作品として飾ってみた場合、なぜかけっこうしっくりときて良かったです。制作から14年たってやっと原画のお披露目ができました。

展示期間

「2024年8月14日(日)~2024年8月31日(土)」

一応の予定です。気分や諸事情により期間は長くなったり、短くなったりはします。

展示作品

題名 左側「Immortal」(イモータル

題名 右側「Jesus in montem」(ジーザス・イン・モンテム)

2010年制作

左側はアルファベットの「I」を装飾文字にして、よく知られた聖書からの逸話を書いたカリグラフィー作品です。三つの首はみたまんま「悪魔」です。

右側はその逸話からの一場面を大きく描いたものです。人物はみたまま「キリスト」です。

左右で本を見開いたようなイメージにするため、左右一対作品なのです。

この作品では、少し実験的なことをやっています。

普段ならグラデーションの最後に「白」を持ってきて、極めつけに明度を上げて光沢感などを出しますが、ここでは最後の「白」の代わりに、「何も塗らず」にクリーム色の「画面色」そのものを使ってみました。

きつい光は抑えられて、柔らかい印象を与える作品となっています。

(表面の光沢や反射は、画面保護のために後からかぶせているOPPフィルムシートが写りこんだものです。)

 

終わり

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卵テンペラメディウムの作り方

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 こんにちは。管理人のりんです。ご訪問ありがとうございます。

自分の絵画展示の紹介文で「水」の代わりに「卵テンペラメディウム」を使用していると書いています。そして「卵テンペラメディウム」ついては「何?」と良く聞かれるのですが、なぜか今まで単体で特集記事にしたことがなかったようです。

そこで今回はタイトル通り、ガッシュ絵の具にも混ぜて使える「卵テンペラメディウムの作り方」を詳しく紹介していきます

準備するものとレシピ

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①サンシックンド リンシードオイル :生卵の1/2ほど

②ダンマルワニス :生卵の1/2ほど

③空きガラス瓶

④生卵:卵黄と卵白の両方

⑤深めの皿

⑥おはし

それぞれの道具の特徴や使い道を以下にまとめました。

① サンシックンド リンシードオイル

油彩用の日晒しあまに油です。

粘度は高く、独特の良い匂いがします。これを加えることで絵の具の伸びが良くなって筆跡の少ないテロっとした光沢のある画面となるそうです。おまじないのようにいつも一応入れています。

使いさしを置いておくと蓋の部分が固まり、次に使う際に往生するので、ラップで口元を包んでから軽く蓋を閉めています。

瓶の注意書きに、これが付着した紙を置いておくと自然発火するというようなことが書いてあるので、液が垂れてティッシュ等でぬぐい取ったら、そのティッシュ等は速やかにナイロン袋などに入れて空気に触れないように処理します。

②ダンマルワニス

ダンマル樹脂をテレビン油で溶かしたもの。テンペラといえばこれを使うらしいです。

これを加えることで、テレビン油が揮発した後にダンマル樹脂が画面を保護するバリアのような働きと接着の効果を出して強靭な画面となるようです。サンシックンドリンシードオイルだけだと粘度が高くて硬すぎるので、これも毎回入れるようにしています。

ダンマル樹脂濃度約30%で溶かしたものが瓶で売っていますので、私はそれを使っています。

凝りたい人は、ダンマル樹脂とテレビン油を別々に買ってきて自作することもできます。

粘度はサンシックンドリンシードオイルの半分くらいですが、手などにつくとベタベタして粘着性を持ち非常に不快です。

使いさしを置いておくと、これも蓋の部分がすぐに固まってしまい、最悪の場合蓋を割らないと使えなくなります。

③空き瓶

メディウムの材料を混ぜ合わせたり、作ったものを保存するために使います。

密閉できる金属のフタが付いたガラス瓶が良いです。プラスチック製品は溶剤によって変形することがあります。

④生卵(たまご・エッグ)

鶏の卵です。卵黄と卵白、つまり黄身と白身の両方を使用します。

黄身が他の材料と混ざりやすくなる成分を持ち、白身のタンパク質が強力な接着剤の役目となり画面に顔料をくっつけて強靭な画面となるようです。

サイズはMくらいが使いやすかったです。たまにLLなど大き目のものを使うと、それまで習慣で目分量で入れていたダンマルワニスやサンシックンドリンシードオイルとの割合が微妙に変化して、やけに粘度が高いメディウムができた記憶があります。

卵の鮮度は新鮮なほど良いです。一度メディウムを作ったら半年以上は冷蔵庫で保管するので、もともとの鮮度は良いに越したことはないです。

余談ですが、数年前に中国に駐在していた頃は普通の地場の卵売り場で買った安い卵など、割ってみたら黄身がほとんど水のようにシャバシャバで分けられないというものが何回かあり、こういうのは全然使えませんでした。

⑤深めの皿

卵白を入れてかき混ぜるために使用します。

普段使っている食器を使うのに抵抗がある場合は、使い捨てのコップなどでも可です。

⑥おはし

卵白をかき混ぜ、下澄み液だけを取り出すために使用します。

これも使い捨ての割りばし等でも可です。

混ぜ方

混ぜ方の順番を一通りおさえると以下のようになります。

1.  卵を割って、「黄身」と「白身」に分ける

2.「白身」を泡立てた後、しばらく置いておく

3.「黄身」に「サンシックンドリンシードオイル」を入れて攪拌する

4.さらに「ダンマルワニス」を入れて攪拌する

5.さらに「白身」の下澄み液を入れて攪拌する

順番に詳しく解説します。

1.卵を割って、「黄身」と「白身」に分ける

卵の殻を半分に割り、片方の殻に黄身を入れ、だらだらと落ちてくる白身を皿で受けます。殻に残った黄身は、ガラス瓶にポイっと投入します。

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「カラザ」という白いひも状のものや、殻のかけらが混入した場合には丁寧に取り除きます。これを入れたまま混ぜると、絵の具を塗る際にこれがべっとりとくっついてきたり、小分け容器の穴をふさいだり、後々いろいろな悪さをします。

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2.「白身」を泡立てた後、しばらく置いておく

皿を斜めに傾けて「おはし」で「白身」をガシャガシャと100回以上攪拌します。

泡がぶくぶくと出てきます。

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そのまましばらくの間放置しておきます。

放置している間、次の作業に取り掛かります。

3.「黄身」に「サンシックンドリンシードオイル」を入れて攪拌する

黄身を入れた瓶にサンシックンドリンシードオイルを全卵のおよそ1/2の量をトプントプンと入れていきます。

さきほど生卵を割った殻があるので、割った殻の片方(1/2)にあらかじめ注いでおけばおおよその目安量となります。

(私の場合は慣れてるのでもっと適当に、大体3回程度トプントプントプンと直接入れて終了です。)

量が多すぎると粘度が高く塗るときに硬くなり、逆に少なすぎると顔料が片寄るような状態でカスレの原因になったりもします。

最近、慣れ過ぎてほんとに適当に入れていたら特にダンマルワニスとの比率がかなりいびつになり、筆の伸びや書き味が気に入らなくて作り直したりすることもありました。今回ブログ執筆にあたって改めて基本比率の重要性に気づかされた次第です。

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入れたら蓋をきっちりしめて、瓶を上下にぶんぶん10回以上強く攪拌します

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混ぜ終わったら蓋を開けて確認します。均一に混ぜ合っていればOKです。

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4.さらに「ダンマルワニス」を入れて攪拌する

ダンマルワニスの瓶の底に、白っぽいダンマルワニスの樹脂が沈殿している場合がありますので、まず蓋をしっかりと閉めて良く振ります。夏の暑い時期は振るだけで沈殿物が溶けてくれました。冬場はお湯につけて温めて振ります。

沈殿物が溶けたら、黄身を入れた瓶にダンマルワニスを全卵のおよそ1/2の量をトプトプと入れていきます。

さきほど生卵を割った殻があるので、割った殻の片方(1/2)にあらかじめ注いでおけばおおよその目安量となります。

量が多すぎると顔料がダマになるような状態で色がかすれる原因になったり、逆に少なすぎると粘度が高く塗るときに硬かったりします。

まずは基本通りの比率で作れば問題ないはずです。

5.「白身」の下澄み液を入れて攪拌する

しばらく放置しておいた「白身を攪拌したもの」から、上層の泡ぶくぶく部分を避けて、下層の液体のみを取り出して、瓶にスーッと注いでいきます。

やり方は、皿を傾けて泡部分を「おはし」の上側で押さえて、下澄み液のみ「おはし」の下側から出るようにします。

注ぎ終わったら、瓶のふたを固く締めてジャバジャバと強く上下に20回程度振ります。

ふたを開けてちゃんと混ざっているか確認します。見た目はおいしそうなプリンのようですがそこまで弾力性はありませんし、「おはし」を入れて上に持ち上げるとすぐに垂れてしまいます。当然食べてはいけない有毒物質なので、そのまま食べたり飲んだりは厳禁です。メディウムが飛散したり付着したものは洗浄消毒するか廃棄することが望ましいです。

保存する

瓶詰めにしたメディウムは冷暗所にて保管します。生卵を使用しているので夏場のクーラーの効いていない所などに、フタを開けたまま置いておくとすぐに腐敗します。冷蔵庫に入れておくと腐敗が進むことをかなり遅らせることが出来ます。1年以上は普通にもちますが、使用して量が減ってきたり、劣化して使い勝手が悪くなるので、完全に腐る前に捨ててしまいます。ただし、保存期間中は入れておいて忘れてしまって、家族が誤飲・誤用してしまうと大変なので、わかるようにしておく工夫は必要です。

私の場合は、ヨーグルトの空き容器の中に入れて直接瓶が見えないようにしています。

フタをしてしまえば、冷蔵庫の中に入れても違和感がありません。

使い方

使うときは、まず瓶から小さな容器に小分けしています。

瓶のまま使用するとその間フタを開けている時間が相対的に多くなり、腐敗の進行が早まります。私は出来立ての硬めのメディウムよりかは、ちょっと傷んだヨレヨレ状態のメディウムを好んで使っていますが・・・

また、小分けする前に再度良く振って中身を混ぜ合わせます。このメディウムはドレッシングと同様に、(卵の)水分と(ダンマルワニス・サンシックンドリンシードオイルの)油分を一緒に混ぜ合わせたものなので、時間の経過とともに水分と油分が分離して上下の層に分かれます。

なので使う際には、必ず良く振って再度混ぜ合わせた状態にする必要があります。いわゆる「エマルジョン」の状態にして使います。

小分けにはスポイトを使用しています。小分け用容器は一滴づつ確実にメディウムを出したいので使い切った目薬の容器を再利用しています。非常に使いやすいですが、いろいろ抵抗のある場合には、新品のタレ瓶や寿司の魚型しょうゆ容器を使ってもよいでしょう。

作ったメディウムはチューブ入りガッシュ絵の具を使う際に、完全に「水の代わり」として使えます。

絵の具の伸びを良くしたいとき、混色するとき、絵の具の量をかさ増ししたいときなどに適宜、数滴づつ加えて混ぜ合わせて使用します。

小分け容器から出して使うときも、まず容器を良く振って混ぜ合わせます。

このメディウムを使うことで、まず絵の表面は乾いた後に耐水性になります。「水」だけを添加した場合、ガッシュ絵の具で描いた絵に水をかけると溶けて流れてしまいますが、このメディウムを使うと水に溶けることは無くなります。

また、耐久性・対候性も「水」だけ添加の場合に比べて強化されることが知られています。西洋中世時代の鮮やかな写本画にも、「卵テンペラメディウム」が使用されています。

私はチューブ入り既製品のガッシュ絵の具に「卵テンペラメディウム」を混ぜ合わせているだけですが、世の中には「顔料」そのものに「卵テンペラメディウム」を混ぜ合わせて「色」を全部自前で作るという人もおられます。

私は試したことがありませんが、ご興味がおありであれば、ガッシュ絵の具以外の画材にも混ぜて見ると面白いかもしれません。

終わりに

終わりにこのメディウム作りの元ネタ(参考)となった文献に触れておきます。

今から30年ちょっと前に西洋中世写本の様式を自身の作品作りに活かしたいと思い、画材屋さんをぶらぶらしていました。1991年か1992年ぐらいのことです。

ある画材屋さんでホルベイン画材から出版(配布)されていた無料の小冊子を見つけて、テンペラメディウムについて詳しく書かれた記事があったため、早速もらってそれを参考に自分で作ってみたら意外とガッシュ絵の具と相性良く使えたという次第です。

そのころはインターネットなど私の周りでは始まってもいない時代でしたので、貴重な資料として繰り返し読んで頭に入れました。

参考文献名(小冊子):ホルベイン 専門家顔料とその素材

一般的なレシピや、特殊なレシピまで参考になることだらけでした。

 

今でもなかなか興味深い内容の資料です。

終わり

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くだらない失敗を繰り返しながら

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 こんにちは。管理人のりんです。ご訪問ありがとうございます。

イトーピア向日マンションミニギャラリーでの7月第3週目から第4週目までの作品展示についてご紹介しています。

何度も作品のラックが外れてしまうというくだらない失敗を繰りかえしながら、台の上にのせて壁に立てかけるという最もシンプルな展示方法を採用し、ようやく2週間の展示期間を手直し無しで全うすることができました。

ただし見た目の問題で、前回は台の足が丸見えで「カニ」に見えてしまうような印象があったので、その部分を今回の展示では見直すことにしました。

 前回展示のカニ足に見える部分(赤矢印部)

 

今回は台の部分にすっぽりと布をかぶせて、台ごと見えないようにしました。

カニっぽいのは無くなりましたが、形がなんとなく位牌に見えてしまいます。

白色が良くなかったかな。。

今回の展示作品は「(The)Night ザ・ナイト」です。

2週間をめどに展示しています。

展示期間

「2024年7月14日(日)~2024年7月27日(土)」

2週間で作品を入れ替える予定です

展示作品

題名「(The)Night」(ザ・ナイト)

2013年制作

カリグラフィーと装飾写本画に夢中になっていた頃の作品です。

 

終わり

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