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こんにちは。管理人のりんです。ご訪問ありがとうございます。
2006年から、作品の題名の頭文字をアルファベット順にAからZまでつけ、合計26作品を作るというプロジェクトを進めています。
この度26作品目 Zoloaster が完成し、このプロジェクトはひとまず無事に終了しました。
今回は全26作品のアーカイブも兼ねて、このプロジェクトの総括をしてみます。
制作の推移
年度別にどのアルファベットの作品を制作したかの推移を知るために、年表を作ってみました。
例えば、’07年にはB・Cの2枚の作品を制作しています。
年表は文字の羅列なので、推移をより分かりやすくするためデータをグラフ化してみました。
青い棒グラフはその年に製作した作品の枚数の推移を示しています。
橙色の折れ線グラフは0から26までのアルファベットの累計数の推移を示しています。
このグラフから分かることは、
・’20年までは作品はほぼ毎年1枚以上制作しており、順調であった。
・’21年以降作品の制作ペースが鈍って停滞期間があった。
この理由として考えられることは、
1.’21年以降土曜出勤日が発生した。
2.他の趣味に時間を取られた。
職場環境の変化により、月に一回土曜出勤日ができ休日が減りました。
絵の制作は土曜日の夜に行っているため、土曜出勤となる日は疲れて制作をパスする日が多々ありました。
こうして月4回の土曜日の制作時間が月3回になり、制作のペースが落ちたと考えています。
趣味嗜好の多様化では、’21年に日本に帰国後、ギターとベースの技術向上のために週に1回(土曜日)に2時間ほど練習に充てることにしました。
中国には単身赴任で行っていたので、自分ひとりの時間が沢山ありました。しかし帰国後はそういうわけにはいかず、どうにか週に1回だけでも楽器に触れる時間を確保したいと考え、絵を描いた後、続きで楽器の練習をすれば良いとの結論に至りました。
そのためそれまで週1回4時間かけていた作品の制作時間が2時間になり、制作のペースが落ちたと考えます。
作品形態について
次にA~Zの作品形態について表にまとめました。
作品形態は大まかに言うと、1枚で単独したものか、2枚で1枚(2枚組)としたものかに分けられます。
集計してみると以下のような結果になりました。
さらに、先ほどの制作推移グラフに、どれが2枚組であるかを赤囲みで追加しました。
これらの集計結果やグラフから分かること。
1.作品の半数以上は2枚組作品である。
2.2枚組作品は’09年から始まっている。
2枚組作品の多用についてその原因を考察した結果、原因について以下のような要素が当てはまりました。
・聖書の写本画を作品制作のモデルとしている
・聖書は本であり、開けると左ページ・右ページと2ページが見開きとなる
・’08年までは主に聖書の挿絵ページの再現に着目しており、1枚単独で挿絵の1ページとして制作していた。
例:A・B・C・D
例:A(左)・例B
例:C(左)・例D
しかし’09年以降、自身の研究が進むにつれ、より本としてリアルな再現を目指すようになり、左右ページ見開きの再現として2枚組作品を制作するようになった。
例:E/F、G/H、i/J、K、L、M、O
例:E/F
例:G/H
例:I/J
例:K
例:L
例:M
例:O
特に作品O(’14年作品)は、本としての体裁、挿絵や文字、枠線文様が多彩です。この作品を自身の目指す写本再現の一つの到達点と考えています。
’14年以降も2枚組作品を制作していますが、この時期になると写本の再現のみを目標とはしていないです。
あくまでも美しい構図の一つとして左右対称となるように2枚組を制作しています。
例:R/S、W/X
例:R(右)/S
例:W(右)/X
以上のように、複合した要因で2枚組作品を多く制作してきました。おそらくこれからも(いいテーマが思いつけば)左右対称の2枚組作品は制作していくと思います。
作品サイズの推移
次に全26作品のサイズを表にまとめてみました。
この表の右欄の換算をもとに、作品の大小を模式的に表すと以下のようになります。
P100号の面積を10として換算
作品A:面積10 作品N:面積3 作品Y:面積1
かなり大きな作品から小さな作品まで制作しましたが、大きくても小さくても緻密さは変わらないと考えています。
なぜなら塗る面積は違っても、塗り方や使用する筆は全く同じであるからです。
塗り方はどれでもグラデーションです。
使用する筆のサイズはほぼ全ての作品でキャムロンプロプラタ630(0/4号)等の極細筆を使用しています。
使用する極細筆とシャーペンの芯との比較
次に制作年代で作品サイズの推移を見ると次のグラフのようになります。
このグラフから分かること
・’06年~’08年までは100号の大きなサイズの作品
・’09年~’11年までは30号~40号クラスで作品サイズが急に小さくなった
・’12年~現在は15号以下の小作品のみとなっている
作品サイズ変移の原因は以下の要因が考えられました。
・大学の部活時代の名残りで100号のキャンバス用木枠を多数持っていたが’08年に使い果たした。
・’05年から公募団体で作品を発表するようになり、公募展は100号サイズは普通でむしろ小さいくらいであるが、絵の保管場所(自宅)に困るようになり、’09年からサイズを小さくする必要に迫られた。
・’09年にサイズを従来の半部以下にして制作し、’10年には自主的に公募団体から離れ、大きな作品を作る必要がなくなった。
・’10年にアートサイト経由で30-40号の作品が数品売れたため、以降サイズはあまり大きくない方が自分にとっても周りの人々にとっても良いと知り、小ぶりの作品を制作することになった。
このような理由から現在の作品サイズ展開になったと考えています。もし需要があって作品が手元に溜まらないのであれば、今後大きなサイズの作品を作ることもあるかもしれません。
謎(頭文字)
作品の中には題名の頭文字が描かれているものがあります。
下の表は作品中の頭文字のあり・なしについてまとめており、頭文字のおおよその位置も記入しています。
作品中の頭文字のある・なしを大別してグラフ化したものが下記です。
26作品中の約6割方にあるのがわかります。
次に、ある・なしの推移を年別に調べてみました。
’16年まではほとんどの作品中に頭文字を記載しています。
前述のとおり、このころまでは写本画の再現の意識が強く、自然と頭文字を作品に入れる流れとなっていたようです。
以下例は作品中から頭文字の部分だけを抜き出したものです。
例:B・C・D
例:E・F
例:G・H
例:I(アイ)
例:J・L・M
例:N・O・Q
例:R・S
いろいろなタイプの頭文字を入れていたことがわかります。
調べていて謎であったのは、文字ばかりの作品でKingsというものがありますが、これだけ文字を沢山書いたのに頭文字「K」がひとつも見当たらなかった点です。
文字作品:K
AIによる作品解説
26作品それぞれの作品制作においての「こだわり」を一覧にまとめました。
そして、この「こだわり」をもとにAIに作品の特徴分析をしてもらいました。
まだ例として登場していないいくつかの作品について、AIによる解説を見て見ます。
・作品Pの場合、
作者のこだわり
聖書の1ページ・キリスト・エヴァンゲリスト・力強く大きな十字架・顔は真っ直ぐ前を見る・光輪・多様な図形・背景金色・枠線の太さや文様・グラデーション技法・髪の毛・部屋に飾れる程よいサイズ・力強く光る瞳・光り輝く
これをAIで作品分析すると、こうなりました。
”提供された情報に基づいて、次のこだわりを持って制作された絵画作品の特徴を分析します。
1. 聖書の1ページ: 絵画作品は聖書の特定のページを描いていることを示しています。これは宗教的な要素を持ち、キリスト教の信仰や聖書の物語に焦点を当てていることを意味します。
2. キリスト: 絵画の中心にはキリストの姿が描かれています。キリストは聖書の中でも重要な人物であり、彼の姿が強調されていることで作品のテーマ性が示されています。
3. エヴァンゲリスト: キリストの周りにはエヴァンゲリスト(福音書の著者)の一人が描かれている可能性があります。これはキリストの教えや福音書の伝達に関連する要素を追加しています。
4. 力強く大きな十字架: 十字架はキリスト教の象徴的な要素であり、キリストの犠牲や救済の象徴として表現されています。絵画作品では大きく力強く描かれていることから、キリストの苦難や栄光を強調していることがわかります。
5. 顔は真っ直ぐ前を見る: キリストの顔は真正面を向いて描かれており、観る者に対して直接的な視線を与えています。これはキリストの力強さや威厳を表現する一方で、観る者との関係性を構築する役割も果たしています。
6. 光輪: キリストの頭の周りに光輪が描かれていることから、彼の神性や聖性を象徴しています。光輪は聖なる存在であることを表し、キリストの崇高さを強調します。
7. 多様な図形: 絵画作品には多様な図形が描かれていることが示されています。これは装飾的な要素としての役割を果たすだけでなく、作品に奥行きや複雑さを与えるための手法としても使用されている可能性があります。
8. 背景金色: 絵画の背景は金色で描かれています。金色は富や尊厳、神聖さを象徴する色であり、絵画全体に輝きと重要性を与えています。
9. 枠線の太さや文様: 絵画の枠線は太く描かれ、文様があるかもしれません。これは絵画を飾る枠の一部としての装飾的な要素であり、作品全体の一体感や統一感を強調する役割を果たしています。
10. グラデーション技法: 絵画作品ではグラデーション技法が使用されていることが示唆されています。これは色の滑らかな遷移や陰影効果を生み出し、絵画に立体感や深みを与える手法です。
11. 髪の毛: キリストの髪の毛は特筆されて描かれているようです。髪の毛の詳細な描写はキリストの人間性や存在感を表現する一方で、美的な要素としても重要な役割を果たしています。
12. 部屋に飾れる程よいサイズ: 絵画作品は部屋に飾ることができる程よいサイズで描かれています。これは作品が一般的な家庭や聖堂などで展示されることを想定していることを示しています。
13. 力強く光る瞳: キリストの瞳は力強く光って描かれています。瞳は表情や感情の表現の中でも重要な要素であり、キリストの神性や力強さを強調する役割を果たしています。
14. 光り輝く: 絵画作品全体が光り輝いて描かれているようです。これは神聖さや神の栄光を表現するための手法であり、作品に崇高な雰囲気を与えています。”
なるほどという感じです。作者が解説するより客観的に聞こえます。
次は作品Qではどうでしょうか。
・作品Qの場合
AIによる解説
” 提供された情報に基づいて、次のこだわりを持って制作された絵画作品の特徴を分析します。
1. トランプのような絵: 絵画作品はトランプのような絵柄を持っていることが示されています。これは遊び心やポップな要素を絵画に取り入れている可能性があります。
2. 顔はやや斜め向き: 描かれた顔はやや斜めを向いていることから、視覚的な動きやダイナミズムを表現しています。斜めのポーズは人物の個性や特徴を際立たせる役割も果たしています。
3. 光輪: 絵画作品の中に光輪が描かれていることから、人物の神性や聖性を表現しています。光輪はキリスト教の伝統的な表現方法ですが、この場合はトランプの要素と組み合わせて独自のアレンジがされているかもしれません。
4. 多様な図形: 絵画には多様な図形が描かれています。これは装飾的な要素としての役割を果たすだけでなく、作品に視覚的な興味や複雑さを与えるための手法としても使用されています。
5. グラデーション技法: 絵画作品ではグラデーション技法が使用されていることが示唆されています。これは色の滑らかな遷移や陰影効果を生み出し、絵画に立体感や深みを与える手法です。
6. 頭文字: 絵画に頭文字が描かれていることが示されています。頭文字は特定の言葉や名前を表すものであり、作品に個人的な意味やメッセージを付与する役割を果たしています。
7. 上下逆さまにできる構図: 絵画の構図は上下逆さまにできるようにデザインされています。これは絵画の多面性や視覚的な興味を引くための工夫として使用されている可能性があります。
8. 女王: 絵画には女王の姿が描かれています。女王は王権や権威を象徴する人物であり、作品に豪華さや威厳を与える役割を果たしています。
9. 豪華なティアラ: 女王の頭には豪華なティアラが描かれています。ティアラは王族や高貴な存在を表現するためのシンボルであり、絵画に華やかさや特別感を与えています。
10. 線の太さや文様: 絵画の線は太く描かれ、文様があるかもしれません。これは装飾的な要素としての役割を果たし、作品に豪華さや独自性を与えることができます。
11. 部屋に飾れる程よいサイズ: 絵画作品は部屋に飾ることができる程よいサイズで描かれています。これは一般的な家庭や展示スペースに適したサイズを意味し、絵画の普遍性とアクセス性を示唆しています。”
良いですね。
続けて作品T、
” 提供された情報に基づいて、次のこだわりを持って制作された絵画作品の特徴を分析します。
1. 肖像画のような: 絵画作品は肖像画のような要素を持っています。これは具体的な人物の姿を描くことに焦点を当てていることを示唆しています。
2. 正八角形の枠線構図: 絵画は正八角形の枠線構図で描かれています。八角形の形状は一般的な四角形の枠に比べて独特であり、絵画に独自性や特別感を与える役割を果たしています。
3. 顔正面: 描かれた顔は正面を向いています。これは人物の直接的な表現や観察を強調し、視聴者とのコミュニケーションを促す効果があります。
4. 髪の光沢: 絵画には髪の光沢が描かれています。これは髪の質感やボリュームを表現することで、リアリティと立体感を作り出しています。
5. 髪のリアルな表現: 絵画作品では髪のリアルな表現が行われています。このこだわりは髪の細部や質感に注意を払い、より生き生きとした表現を追求していることを示しています。
6. グラデーション技法: 絵画作品ではグラデーション技法が使用されています。これは色の滑らかな遷移や陰影効果を生み出し、絵画に立体感や深みを与える手法です。
7. 女性: 絵画には女性の姿が描かれています。女性の肖像画は美しさや優雅さを表現するための一般的なテーマです。
8. 背景グラデーション技法: 絵画の背景にはグラデーション技法が使用されています。背景の滑らかな色の遷移は絵画に奥行きや空間感を与え、主題との対比を引き立てる役割を果たします。”
次は、抽象画作品についてのAI解説です。
・作品Uの場合、
” 提供された情報に基づいて、次のこだわりを持って制作された絵画作品の特徴を分析します。
1. 正八角形の枠線構図: 絵画は正八角形の枠線構図で描かれています。八角形の形状は一般的な四角形の枠に比べて独特であり、絵画に独自性や特別感を与える役割を果たしています。
2. 無数の大小球体: 絵画作品には無数の大小の球体が描かれています。球体は立体感や空間感を表現するための要素であり、絵画に奥行きや複雑さを与える役割を果たします。
3. 極限に小さい球体: 絵画には極めて小さな球体も描かれています。これは細部にまで注意を払い、微細な表現を追求していることを示しています。
4. 八つの目: 絵画作品には八つの目が描かれています。目は観察や洞察力の象徴であり、絵画に神秘的な要素や深層の意味を付与する役割を果たすことがあります。
5. 三角形が多数: 絵画には多数の三角形が描かれています。三角形は安定感やバランスを表現する形状であり、絵画に調和や構造を与える役割を果たすことがあります。
6. グラデーション技法: 絵画作品ではグラデーション技法が使用されています。これは色の滑らかな遷移や陰影効果を生み出し、絵画に立体感や深みを与える手法です。
7. 人物なし: 絵画には人物が描かれていないことが示されています。このこだわりは抽象的な表現や対象の省略によって、視覚的な要素や形状に焦点を当てることを意味しています。
8. 繰り返す形状: 絵画作品では繰り返す形状が存在します。これはパターンやリズムを作り出し、絵画全体に統一感や動きを与える役割を果たします。”
AIによる解説には少しも変なところがないです。
・作品Yの場合、
” 提供された情報に基づいて、次のこだわりを持って制作された絵画作品の特徴を分析します。
1. 三角形と菱形からなる枠線構図: 絵画は三角形と菱形から構成される枠線で囲まれています。これは絵画の境界を特徴付ける独特な形状であり、絵画に幾何学的な要素や調和をもたらす役割を果たします。
2. 無数の大小の円: 絵画作品には無数の大小の円が描かれています。円は円滑さや循環の象徴として使われることが多く、絵画に柔らかさや流動性をもたらす役割を果たします。
3. 教会建築: 絵画には教会の建築物が描かれています。教会は宗教的な象徴や精神的な意味を持つことがあり、絵画に神聖さや信仰の要素を与える役割を果たします。
4. グラデーション技法: 絵画作品ではグラデーション技法が使用されています。これは色の滑らかな遷移や陰影効果を生み出し、絵画に立体感や深みを与える手法です。
5. 人物なし: 絵画には人物が描かれていないことが示されています。このこだわりは抽象的な表現や対象の省略によって、視覚的な要素や形状に焦点を当てることを意味しています。
6. 部屋に飾れる程よいサイズ: 絵画作品は部屋に飾ることができる程よいサイズで描かれています。これは一般的な家庭や展示スペースに適したサイズを意味し、絵画の普遍性とアクセス性を示唆しています。
7. 縦に3分割となる構図: 絵画の構図は縦に3分割されています。このこだわりは絵画のバランスや対称性を追求し、視覚的な調和を作り出す役割を果たします。
8. 繰り返す形状: 絵画作品では繰り返す形状が存在します。これはパターンやリズムを作り出し、絵画全体に統一感や動きを与える役割を果たします。”
AIの解説で改めて作品に込められた意図を自分でも再認識することができました。
まとめ
AからZまで26作品の分析を様々な視点から行った結果、このプロジェクトは聖書の挿絵の再現から始まり、本自体の見開きページ再現を経て、最終的にはそれらを基本に自由に自分の描きたいものを描いているということになりました。
アーカイブなので、作品NとYとZも記録しておきます。
例:N(左)・Y(中)・Z(右)
終わり
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