色彩とグラデーションについて

グラデーションを使った絵画技法やエクセルを使った色彩理解のお助けなど紹介しています

絵を描く時のお役立ちグッズ

この記事の目次

 

 絵描きさんのお役立ちグッズ 

絵を描いていて、もっと描きやすくしたい、使いやすくしたい、無駄なく使いたいと思うことが良くあります。

そんな中から見つけた便利グッズをご紹介致します。

手置き棒

筆で色を塗るときに、手が空中でぶらぶらしている状態ですと、細かい絵を描くときに安定せず手がブレてしまいます。

それを防ぐために手を置く棒を使います。

今までは四角い角材を手置き棒として使っていましたが、棒の先端がすぐにずれてしまって、その度に手が大きくぶれて色が画面の別の場所に付いてしまうのが不満でした。

そこで新たに使い始めたのが、伸縮型の突っ張り棒です。

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このつっぱり棒の利点はズレないように先端が軟質樹脂で覆われています。

横方向には移動しますが、奥行き方向(画面に向かう方向)にはめったなことでズレないので、安心して絵を描くことに集中できます。

1.下のように画面に当たらないよう立てかけてます。

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2.手をのせて色を塗ります。

 (細かい所を塗る場合は、すごく力が入るのでズレない安心感はありがたいです。指先に集中するため、手はガチガチの状態です。)

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3.先端に滑り止めがある/なしの違いをまとめてみました。

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画溶液入れ

 ガッシュ絵の具を溶くために、自分は水ではなく特製の画溶液を使っています。

この画溶液は生卵の黄身+白身とダンマルワニス、サンシックンドリンシードオイルを一定の割合で混ぜて強く攪拌したもので、テンペラ画にも使われているものです。

この画溶液を使う際、以前は油絵用画材の油つぼに入れて使っていました。

油つぼ
アーテック 油壷 NO.12 165006

アーテック 油壷 NO.12 165006

  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

 普通に画溶液を使うのであれば、このタイプの油つぼは重宝しますが、生卵入りの画溶液をごく少量を使う場合には、次のようなデメリットがありました。

1.開口部が大きいので、空気に触れる部分が多く、数時間の内に画溶液が腐る。
  生卵を使っていますので、そのまま一晩置いておくと表面にはカビが生えてきます

2.時間の経過とともに、重い成分が下層に、軽い成分が上層に分離してしまう。生卵と油の混合画溶液は完全に溶け合わずに混ざっているだけです。そのためときどきかき混ぜないと、知らず知らずのうちに上層の上澄み液のみを使用することになり、塗ったときのタッチが変わります。でも次の3、の理由から使用中は頻繁に混ぜ合わせることができません。

3.油つぼに直接筆をチョンチョンと入れて使いますが、その度に画溶液が汚れます。(チョン付けした筆についている色が画溶液に混ざるため。)その都度汚れていない部分を選んでチョン付けしますが、グラデーション技法はチョン付けの回数が多いので、やっぱりそのうちに汚れた部分が付いてしまいます。
グラデーションを白くしている時に、黒い汚れの部分が付いてしまうと、グラデーションが一気に濁ってしまって、グラデーションに不快な段差が付きます。

また反対にグラデーションが黒い段階で、白い部分の汚れがつくと、これも不自然なグラデーションになります。

 
そこで次に試したのが、ソースディスペンサーです。

ソースディスペンサー

 実際に使っていたのは百均のキャップ付きのもので、液が出る穴はあらかじめ開いておらず、カットして穴を作るタイプのものでした。(先端でカットすれば、穴の開きさは小さく、根本側でカットすれば穴は大きくなります)

発想としては、ここに画溶液を入れて好きな量だけ適時出して使えば、いつまでも画溶液は濁らずきれいなままで、かつ容器を逆さまにして出すので自動的に攪拌もできるということでした。

実際に使ってみたところ、液が出る穴を大きく開けると画溶液が出すぎ、逆に小さすぎると粘度の高い画溶液が詰まってしまうという残念な結果に終わりました。

また、攪拌するときに強く振るとキャップをしていても微量は漏れて飛び散るといった弱点がありました。

 

そこで次に試したのが、しょうゆ差しです。

しょう油差し

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こちらは ソースディスペンサーよりも少量づつ入り、注ぎ口の大きさも申し分なく、一滴一滴と出す分には使い勝手が良いです。

使い捨てなので、使い切ったらそのまま捨てられる手軽さも有難いです。

百円ショップで買えば数個入っているのでコストパフォーマンスも良いです。

唯一の難点は、キャップと注ぎ口のネジがすぐにいたむので、キャップを何回も開けたり閉めたりを繰り返すと、すぐにキャップから液だれしてしまうことでした。

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(キャップを何回も開け閉めすることを想定した作りにはなっていないと思われます)

 

そして現在、最終的に行き着いた結論は、眼科用点眼薬入れです。

眼科用点眼薬入れ

 自分が実際に使っているのは、眼科で買った点眼液の使い終わったものです。

使い終わった点眼液容器を水できれいに洗い、よく乾燥してから使います。

点眼液容器は、一日何回もキャップを開け閉めしても液漏れしないように作られていますし、ノズル部分も一滴一滴うまく出るような非常に良い作りになっていますので、今までの不満はほぼ解消されました。

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ノズル部分は左右にゆすって取り外しできます。水を満タンに入れて思い切り容器を押し、水圧を利用して取り外すこともできます。

画溶液を点眼用容器に詰め替える

以下の工程で、画溶液を点眼用容器に詰め替えます。

①画用液を保存している瓶をよく振って混ぜ合わせます。

②瓶のふたを開け、しょうゆ差しをスポイト代わりに画溶液を吸い出します。

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③吸いだした画溶液を点眼用容器に入れます。

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画溶液を適量垂らす

パレットに適量を垂らして使います。

グラデーションで色の段階を下げる度に適量加えます。

また、塗っている途中で絵の具の乾燥で塗り伸びが悪くなった時にも、粘度を下げるために適量加えます。

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 筆置き

 グラデーションで色の段階を下げる度に画溶液を追加します。その時、筆を持ったまま画溶液のキャップを開け閉めしたり、画溶液をパレットに垂らすと、思わぬことで手に持っていた筆先が画面に接触して、絵に変な点が付きます。

そこで、筆を一旦どこかに置く必要がありますが、机の上にそのまま置くとコロコロと転がって非常に集中力を削がれます。

また、筆先はどこにも接触させずに置きたいので、下のような筆置きを練り消しを使って作りました。

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目玉クリップ

 目玉クリップは、ペーパーパレットの端がペロンとめくれ上がった時に、面を平らにする目的で使用します。

ペーパーパレットは湿気の影響や、枚数が少なくなってくると、端部分がめくれてきます。

そのままですと、パレットに出した絵の具や画溶液が滑って別の色と合体するなど使い勝手に影響が出ますので、こうやって目玉クリップで端を留めています。

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完全に平らにするには、クリップの数を増やします。

 

絵の具保存ケース

絵の具を乾燥から守るために、密封型ケースを使用しています。

青系・赤系・黄色系など、なるべく色の種類ごとにケースを分けると、目的の色を探し出しやすいです。またすでにある同じ色を間違って新しく買ってしまうミスも防ぐことができます。

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制作途中でよく使う色、コンビネーションで使う色などはチャック付き袋に入れておけば、少し時間を開けて色の再現をする場合に役立ちます。

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以上、お役立ちグッズをご紹介しました。

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